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ゲーム会社がPS5ディスクドライブなしを歓迎する10つの理由(ゲームファン考察)

PS5

ゲーム会社の本音はPS5のディスクドライブなしモデルの普及かも

PS5の詳細が発表されて話題になっています。

これまでのプレイステーションと大きく異なるのは「従来通りのブルーレイディスク有りモデル」「ブルーレイディスク無しモデル(ディスクドライブなし)」の2種類の本体が存在するという点です。

最近は車も、オーディオもパソコンも、「ディスクドライブ」をほとんど見かけなくなりました。つまり世の中の大きな流れとしては

「コストもかかり、故障しやすいディスクドライブを排除する傾向にあります」

実際にPS4もディスクドライブがついていますが、ディスクを挿入しても本体のハードディスクにデータをインストールして使うことが多く、ディスクドライブの必要性は限りなく低くなってきました。

 

ならば、PS5では完全にディスクレスモデル1つに絞った方がいいのではないか?

という考え方もありますがディスクドライブモデルを用意した理由は

・PS4ソフトとの互換性維持のため(PS4のゲームディスクが使える必要あり)

・ゲームファンの多様性に対応するため(いきなりディスク機能を排除するのは反感を買う)

という2点が大きな理由だと推測されます。

よって、PS5の次、PS6では完全にディスクレスモデル1つに絞られる未来があるかもしれません。(そもそもPS6はもう存在せず、最後のPS5がプレステになる未来もあるのかもしれませんが)

「PS5の互換性」についてはこちらの記事でも書いていますので参考にしてみてください。

 

ところで今回、注目したいのは「ブルーレイディスク無しモデル(ディスクドライブなし)」を用意した本当の狙いです。むしろ「ブルーレイディスク有りモデル」よりも「無し」モデルを売りたいと思うのです。

実はここを深く考察して見ると様々なメーカー側の思惑が見えてきます。今回はゲーム会社視点でみた「PS5本体でディスクレスモデルを歓迎する理由」について深く掘り下げてみましょう。

 

ゲーム会社がPS5ディスクドライブなしモデルを歓迎する10つの理由

①PS5ディスクドライブなし本体の普及でゲーム販売の利益率が高くなる

ディスクレスモデル=ストアから「ダウンロード版」購入

ディスクドライブ有りモデル=ゲームショップで「ディスクパッケージ版」購入

となります。

これを「利益率」の視点で分解すると次のようになります。

 

「ダウンロード版」は流通マージンを最小限に抑えられるので利益率が高いです。

ゲーム会社→ソニーにデータ納品→PSストア→ユーザー

 

「ディスクパッケージ版」は様々な流通コストがかかります。

ゲーム会社→ソニーにデータ納品→ディスク+パッケージ生産→(問屋)→ゲームショップ→ユーザー

問屋は存在しないケースもありますが、ゲームがお店に並んでユーザーに届くまでにパッケージ版は「ディスク、パッケージ製造費」もかかりますし、「値崩れ在庫リスク」もあります。さらに倉庫保管費もかかるわけです。

つまり、ゲーム会社から見ると圧倒的に「ディスクレスモデル=ダウンロード版」がコストがかからず利益率が高いのです。

もしPS5がディスクレスモデルに全部統一されるならば、ゲーム会社は利益率を高めるための様々なコストカットとリストラができるというわけですね。

 

②PS5ディスクドライブなしモデルによって中古ゲームソフト市場淘汰、売上があがる

どれだけ新品ゲームの売上に影響を与えているのか正確な数字は誰もわかりませんが、中古ゲームを扱うショップが存在するということは、中古市場が存在する証拠です。

PS5ディスクレスモデルによってパッケージソフトを購入する必要はなくなるわけですから、中古ゲーム市場は淘汰されますし、ゲームが欲しい人はPSストアでダウンロード版を購入するしかありません。

ダウンロード版は「中古買取」ができませんので、「ゲームを安く中古購入する」ということはできなくなります。

結果、それまで中古ゲームソフトを購入していたユーザーの多くはダウンロード版を購入するようになり、ゲーム会社の売上は増えると推測できます。

 

③PS5ディスクドライブなしモデルのユーザーは必ずインターネットに繋がっているため追加コンテンツを売り込みやすい

PS5のディスクレスモデルはPSストアでゲーム購入が必要ですから、インターネットに100%繋がっているユーザーと言えます。

となるとインターネット経由から追加のダウンロードコンテンツの売り込みがしやすく、単体のゲーム販売に終わらず、それをきっかけにさらにコンテンツを買ってもらうことで、売上を積み上げることができます。

これはどういうことかというと

 

「いままでは5,000円のパッケージゲームを購入しておしまい」

「これからは5,000円のダウンロードゲームを購入して、さらに1,000円の追加コンテンツを購入してもらえるかも」

 

となります。これはゲーム会社から見ると非常に大きなメリットがあります。

④PS5のゲームの売り逃がしがない

パッケージ版ソフトは必ず次のような流れを踏みます。

「ディスク生産」→「ショップに配送」→「販売」→「売り切れたら再注文」→「再生産」→「ショップに配送」→「販売」→これを繰り返します。

つまり「生産」「配送」「売り切れ」「再生産」というプロセスで時間がかかりますので「今売るべきタイミング」にゲームがお店で売り切れで「売り逃がしてしまうリスク」があります。

一方でPS5ディスクレスモデルのダウンロード版については次のような流れになります。

「ゲームデータ納品」→「PSストアに陳列」→「販売」

つまり売り切れという概念がなく、無限に販売できるわけです。パッケージ版ソフトとは圧倒的に「売り逃がしてしまうリスク」を排除できます。

 

せっかく発売した新作ゲームが売り時期を逃してしまうことで、セールスが大きく異なってきます。よってPS5のディスクレスモデルがゲーム会社にとっても大きなメリットがあるのです。

⑤販売場所はPSストアに集約されるため価格変更が自由にできる

PS5のディスクレスモデルは販売ルートがPSストアに縛られるため、PSストア上の販売価格しか気にする必要ありません。

よってゲーム会社が自由に価格変更することもできます。

つまり売上が鈍ったらゲーム会社自身の判断で特価セールもできますし、販売のテコ入れができます。

これって当たり前のような普通のことに聞こえますが一般的なパッケージ版ソフトはそういうわけにはいかないのです。

一般的なパッケージ版ソフトはゲームショップで販売されます。定価5,000円のソフトなら10%引きくらいで販売されているケースが多いのではないでしょうか?なぜ10%引きで売られているのか?というと、10%引きくらいで売らないとショップの利益が出ないからです。

あくまでも販売価格を決めるのはショップでありゲーム会社ではありません。もちろんパッケージ版とダウンロード版を併売しているゲームはPS4でも多いです。

しかし、極端な話になりますがゲーム会社が発売日から1週間後に定価の50%引きでPSストアで販売することは困難でしょう。リアルなゲームショップでは定価の10%で発売中なのに、そこを無視してPSストアで大幅割引をしたら次回作からゲームショップはそのゲーム会社のゲームを仕入れてくれなくなるでしょう。

 

つまり従来のディスクありゲームは、このようなPSストアとリアルなゲームショップの間でのジレンマに挟まれているのです。

 

⑥店頭販売にかかる膨大な人件費やコストを削減できる

パッケージゲームをショップで販売するためには膨大な人件費がかかっています。

営業マン、物流配送、お店で売るための宣伝マン、宣伝費・・・などさまざまなコストをかけています。

しかし、PS5ディスクレスモデルが普及するなら、これら人件費やコストを全部削減できます。

実際にスマホゲームはディスクレスモデルしか存在しませんから、スマホゲームの世界で当たり前のことがPS5にもやってくるとうわけですね。コスト削減はゲーム会社としては大きなメリットです。

 

⑦スマホゲームのようにアプリストア(PSストア)中心でプロモーションが考えられる

スマホゲームで売上を上げる方法はすべてのユーザーが必ず通り「AppStore/GooglePlay」でのプロモーションが大きな意味を持ちます。

これと同じようなことがPS5ディスクレスモデルの普及によるダウンロード版中心のゲーム販売になることで、アプリストア(PSストア)中心のプロモーションがさらに加速します。

結果、これまでPS4のゲームを発売するときは、さまざまなプロモーションが必要でしたが、PSストアを中心に考えたプロモーション設計に振り切れることでプロモーションにかかるコスト手間を大幅削減できる可能性があるのです。

 

⑧PS5ゲーム開発スケジュールに若干の猶予ができる

これまでのゲームは「パッケージ版ソフト」が中心でした。

パッケージ版は「ディスク製造」→「ゲームショップに配送」というプロセスが必要ですから、これらの「製造スケジュール」「配送スケジュール」を踏まえた上でのゲーム開発をしなければなりません。

よって発売日から逆算して結構前には開発が終了している状態が必要なのです。

しかしPS5ディスクレスモデルは「ダウンロード版購入」になりますが、ダウンロード版の場合は「製造スケジュール」「配送スケジュール」を取っ払って考えることができますので発売日のギリギリまで開発できるようになります。

結果ゲーム会社としては開発スケジュールに猶予を持った開発ができるようになります。

⑨発売初動で失敗してもその後のテコ入れで売上を伸ばせる可能性がある

ゲーム好きなら「あるあるの話」だとおもいますがこんな事が実際にあります。

・発売日にパッケージ版を購入した。つまらないクソゲーだった。もう買わない

・発売日にダウンロード版を購入した。つまらないクソゲーだった。でも1週間後にアップデート更新が入って別物の超面白いゲームに変貌した

これは極端な例ですが、これに近いような経験はあるのではないでしょうか?

パッケージ版購入=インターネット接続必須

ではなくオフラインでも遊べる必要があるため「パッケージ版発売日の中身が全て」となります。「パッケージ版発売日で失敗したら挽回なんてできない」というのが常識でもあります。

しかし、PS5ディスクレスモデルの普及によってダウンロード版中心の販売になるとこの常識がかわる可能性があります。既にスマホゲーム、PCゲームでは当たり前のことですが、これがPS5ではさらに加速するイメージです。

⑩マスプロモーションよりもデジタルプロモーションが重要になり費用削減になる

PS4のプロモーションといえば、TVCM、雑誌広告なども多いのですが

PS5ディスクレスモデルが中心の世界になることで、TVCM、雑誌広告からWeb広告中心にプロモーションがかわってくることが想像されます。

これは既にアプリゲームでは当たり前ですが、それと同じ状況が今後考えられます。もちろんTVCM、雑誌広告が全くなくなるわけではないですが、Web広告メインに変わってくることで最終的なゲーム会社側のコストは削減できるようになります。

 

まとめ

今回、PS5では「ディスクドライブありモデル」「ディスクドライブなしモデル」の2種類を発売するにあたって、実はゲーム会社にとっては「PS5ディスクレスモデル」が嬉しく、ディスクレスモデルの普及によって多くのメリットが考えられるという話をしました。

あくまでもゲーム好きユーザー視点からの考察ですが、実際のところ数々のメリットが見えてきそうです。

 

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